ミスったこと分析:社長のコミュニケーション編

ミーティングの席で、昔ながらの開発方法を信望する社長と、アジャイルリーンスタートアップ的な開発方法の知識の断片が頭に入っている僕の対立が始まる

「必要な機能は私の頭に入っていて、それを伝えておおよその画面遷移と画面のデザインはデザイナーに外注してつくってもらうので、それがあがってきたら機能毎にいつまでに実装完了できるか見積もりだしてくれ」

いまなら開発者でないiOSフレームワークの知識がないデザイナーが、ノリで設計してしまった画面遷移とデザインをそのまま実装に持ち込むと、(少なくとも極小スタートアップの会社では)全く保守・運用が回らなくなるというのはわかるので、っはは、何言ってんすか、冗談言ってないで、現実の実装をどうするか考えましょう、くらいの柔らかさで正しくストップかけることができたかも知れないが、当時の僕では頭の片隅に「アジャイル・サムライ」と「リーンスタートアップ」の知識を詰め込んでいるくらいで、それが実際の経験に結びついてないので、なにこれ、開発者自分一人しかいなくて、iOS開発経験ほとんどなくて、そもそも見積なんで最初はあてずっぽだよ、ん、まてよこのアプリニーズがそもそもあるのか、誰も使わないもの作っちゃってんじゃないのもしかして!それにしてもiOSフレームワークで作ると難しそうだな。

と心のなかでつぶやくのがいいところで、実際には

「了解です。出てくるのが楽しみですね!」

などと心にもなく誰の役にも立たないことを言ってしまっていた。

 

デザイン出てきてみると、やはりiOSにフィットしない遷移や画面などがかなりあり、ここへくるとさすがに僕もやべえなこれはと思い始めるんだが、ウォーターフォール型開発の非常に悪いポイントだと思うところで、ここまで来てしまうと(とくに外注してデザイン料金がすでに発生してしまっていると)やめましょうと誰も言えなくなってしまう。(というかそもそも社長なんかはノリノリなわけで、良いデザインが出来た。あとは実装だけだね、いよいよ売れる。なんて風にニーズが有るかどうかとか、保守運用がうまくいくかどうかとか見えなくなってんだけど)

 

とはいえ唯一のプログラム理解者でシステム担当としてこのまずい流れはさすがにやばいだろうと

「仕様を特になんの根拠もなく先にガチガチに決めてしまって、このまま実装していくとえらいことになりますよ」

と決戦の火蓋を切ることになる。